LOCAL HERITAGE 地域遺産紹介

受け継がれる歴史・文化・自然

松作商店

浜松大空襲で焼け残った『金庫』

松作商店は、江戸時代の寛政元年(1789年)を創業としている老舗乾物店です。
この金庫は、大正時代初期のもので、第二次世界大戦の浜松大空襲により店舗建物は焼失してしまいましたが、この金庫だけは焼け残りました。外装には雲母が塗られていたため外側だけが焼け残り、中は焼けてしまって現在は何も入っていません。鍵を開けるためのダイヤルの番号も分からないため、開かずの金庫となっています。飾り金具には「大日本東京」「後藤製造」と書かれています。
同店では、金庫の正面を黒く塗り直して店内の壁にはめ込み、江戸時代からの松作商店の歴史を繋ぐ大切な金庫として保存しています。

松作商店

明治時代の国鉄の荷札

第二次世界大戦の浜松大空襲で焼け残った国鉄の荷札。
鰹節を東京(日本橋)から浜松まで送った際のもので、送られた箱数や料金の支払いなどについて記されている。
受け取り主:松作商店(家印付き)
送り主:日本橋 丸屋惣吉

明治26年4月11日と同年11月11日の日付のものが残っている。東海道線の新橋~神戸間が開通したのが明治22年であるから、その4年後の荷札ということになる。鉄道による長距離輸送草創期の貴重な荷札である。
なお、松作商店は、過去帳で辿れる限り江戸時代の寛政元年(1789年)を創業としている老舗である。