LOCAL HERITAGE 地域遺産紹介

受け継がれる歴史・文化・自然

大安寺

肴町の歴史を見守り続ける『ご本尊』

大安寺の歴史由来は、度々の火災や昭和の戦災に遭い焼失して不明でしたが、偶々、大安寺七世伊藤禅覚師が、天林寺古文書の中に大安寺の記録を発見し、それによって大安寺の由来が判明しました。それによると、寛文二年(1662年)肴町に寺庵が無いので是非建立してほしいと、町衆一同、天林寺11世香山文吐和尚に懇願に来て、「亀居山に在る大安寺を肴町に」と、時の城主太田備中守に寺庵建立を上申したところ、町奉行を通じて許可され、肴町に大安寺が建立されたそうです。
大安寺は昭和11年(1936年)に新築、平成8年再新築され、昭和平成令和と三代の住職によって守られて今日に至っています。
ご本尊佛は阿弥陀如来(安阿弥作)で、太平洋戦争の際には空襲の度にお母様(現住職の祖母)がこれを背負って逃げて、戦火から守り通されたそうです。現住職は、9代目の酒井章英和尚です。

大安寺

大安寺の酉の市

大安寺で「酉の市」が開かれることになったのは、昭和25年のことである。それまでは、板屋町の法雲寺(現在は高町)で行なわれていたが、道路が狭く露天商が並べなくなったことと大安寺の福徳毘沙門尊天を祀るお堂の完成を記念して、場所を大安寺に移すこととなった。
「酉の市」は、東京・浅草の鷲神社で開かれたのが起源とされ、関東各地で開かれているが、関東以外では大安寺が最西端の開催地であり、県内では唯一の「酉の市」である。
「酉の市」は、11月の“酉の日”に開かれるのが習わしで、商売繁盛などのご利益を求める方が多く参詣し、縁起物の熊手やダルマなどを買って帰る。